ただ物を移動しているだけのパターン

部屋の片づけには、心が投影されます。ですから部屋が片づいていないのは、心が落ち着かず、頭も整理されていない状態。裏を返せば、頭も心も整理されていないから、部屋が散らかるのでしょう。

では、「掃除好き」「片づけが得意」な人がみな、幸せぐせの持ち主かといえば、内容を詳しく聞いてみると、不幸ぐせが交じっている場合もあるから厄介です。

その代表は、片づけていると言いながら、あっちからこっちへ、ただ物を移動しているだけというパターン。タンスに入りきらない服を、わざわざ新しい衣装ケースを買って入れる「収納あるある」に共感する人は案外多いのではありませんか?

なぜそんなにたくさんの服が必要なのか!?
「いつか着るかもしれないから」という答えが返ってきそうですが、その「いつか」は、いったいいつなのでしょうか。たいていその日はやってきません。

「いつか着るかも」「もしかしたら使うかも」は不幸を呼ぶセリフ。
これが口ぐせになっているのは心配性の人です。きっとほかのことでも、やたらと気苦労が絶えないことでしょう。起きてもいない先のことをあれこれ心配していては、心は整理されません。部屋が片づかないのも納得です。物が多ければ、収納場所が増え、探す手間もかかります。場所だけでなく、時間も無駄にしているなんて!

大げさに聞こえるかもしれませんが、人生を無駄にしているのと同じなのです。

 

(イラスト◎大野舞)