受け取る「遺族厚生年金」が減らされる?

遺族厚生年金のしくみはちょっと複雑です。

いまは専業主婦でも、会社員の経験がある人は多いでしょう。厚生年金に加入していれば、厚生年金が受け取れます。すると、妻の厚生年金が優先され、その分が夫の遺族厚生年金から差し引かれます。

また、繰下げ受給をすると自分の年金は増えますが、やはり遺族厚生年金の部分が少なくなります。

じつは、遺族年金は非課税扱いです。一方、自分の年金は雑所得として課税対象になります。したがって、受け取るとしたら遺族年金のほうが得なのです。

図1:共働き夫婦の遺族年金はいくら?(図:『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』より)

もっとも、遺族厚生年金に影響するのは厚生年金なので、基礎年金だけを繰り下げる手はありだと思います。ただし、これは夫より大幅に長生きすることが前提の方法です。

いずれにしろ、遺族年金に頼りすぎるのはNG。厚生年金の受給額がそれなりに多い人は、厚生年金、基礎年金の両方を繰下げ受給することを検討してみてはいかがでしょう。