もしものときに備え、女性ほど年金のしくみを知っておくべきなのかも(イラスト提供:イラストAC)
厚生労働省の発表によると、2020年の日本人の平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳で、女性の多くは「おひとり様」になる可能性が高いと言えるのかもしれません。しかし老後を支える柱の一つである「年金」を考えれば、男性より少ないケースも多くみられ、女性ほど老後資金は不足しがちとも。死別でなくとも、離婚したために自分の基礎年金頼りとなれば、生活が苦しくなる可能性は高まります。ファイナンシャルプランナー・長尾義弘さんは「女性ならばなおさら、もしもの際に備えて年金のしくみを知っておくべき」と言いますが――。

65歳以上が受け取れるのは「遺族厚生年金」だけ

女性のほうが平均寿命が長いため、あとに残されるケースは多いものです。高齢になってからの遺族年金についても見ていきましょう。

65歳以降は、遺族厚生年金のみになります。

「夫の年金の4分の3が遺族年金として受け取れる」は、よくある勘違い。基礎年金は含まれません。基礎年金は個人の年金ですから、死亡すると消滅します。

妻が受け取れる厚生年金の計算方法は次の通りです。

(1)夫の厚生年金の4分の3

(2)夫の厚生年金と妻の厚生年金を半分ずつ

(3)妻の厚生年金

このうち、もっとも高い金額が自動的に選ばれます。

二人暮らしが一人になっても、生活費まで半分とはいきません。思っていたより少ない金額になり、生活がきつくなる可能性もあります。