「つき合い悪い人」から「カルピスで酔える女」へ
3~4回生の2年間を過ごすゼミのメンバーは、大学生活最大の試練である卒論を共に乗り切る仲間だ。打ち解けられずに終わるのは絶対に嫌だ。3000円はかなり痛かったが、割り切って最初の親睦会に参加した。大学生活最後の2年間が楽しいかはこの飲み会にかかっている…その読みは的中した。
顔合わせの時はあんなにみんなよそよそしかったのに、会が進むにつれ一気に空気が和やかになり、素のキャラが出てくる。私を含めお酒が飲めないメンバーは何人かいたが、お酒が入るかは大した問題ではなく、飲んだり食べたりという場を共有することが大事だった。
そして私は素面でも酔っ払い並み、いやそれ以上のテンションになれるという特技を身につけ、「カルピスで酔える女」の称号を手に入れた。以後ゼミの宴会番長の座についた。
3000円あったらいいランチ2回はいけるよ!なんて思ったりもしたけれど、金額でははかれない大事な大事な投資だった。
驚くべき速さでみんなと仲良くなり、大学生活後半2年間は、「よっ友」しかいなかった前半が嘘のように楽しかった。
そしてゼミのメンバーとは今でも連絡を取り合う仲である。
このように、人間関係を築いたり維持するのにはお金が必要だったりする。服やメイク、外食やプレゼント。何かと痛い出費がある。
同じ経済感覚の友達ばかりだったら、お互いの家にいくだけみたいなお金のかからない付き合い方もできるかもしれない。しかし、実際は、周囲とはまったく経済感覚が合わなかった。