「二人とも、男役が好きで仕方なかったし。今日だって、この格好で撮影して、ちょっとだけカユいよね(笑)」(明日海さん)

明日海 ブロードウェイの初演は1950年。おしゃれで豪華で、歌のナンバーもたくさん。最初は「賭け」がきっかけで近づいたスカイとサラ、14年間婚約状態のネイサンとアデレイド─2組のカップルが生き方を見つけていく。まさにミュージカル・コメディの王道。心が動くまま素直に演じていけたらいいな。

望海 さゆみちゃんが演じる堅物の女性、サラがスカイに出会って、どのように変わっていくかが見せ場だね。アデレイドも、一途で純情な心根の持ち主という点ではサラと同じ。そのチャーミングな感じをどうやって見せられるか、私も追求していきたい。

明日海 50年前後のニューヨークの踊り子の、何ともいえないキュートでコケティッシュな感じ。あやちゃんならではの「さすがの玄人感」溢れたアデレイド……。すでに私は想像するだけで鼻を高くしています。

望海 可愛くしないと。私、音楽学校で、声楽の先生から「あなたの見た目で娘役は絶対ムリ」と言われたことがあって、その時に自意識が男役で固まっちゃったんだよね。

明日海 それはわかる。二人とも、男役が好きで仕方なかったし。今日だって、この格好で撮影して、ちょっとだけカユいよね。(笑)

望海 どうしても男役のようにパリッとしちゃう。退団後に髪が伸びた時、どういう「生き物」でいたらいいのか、悩みました。

明日海 男と女の間のバランスのとり方に揺れ動く。でも、舞台に上がると、役がその世界に連れていってくれる。だから大丈夫だ、と言い聞かせています。