公共交通をお得に利用できる『シルバーパス』を発行している自治体も(写真提供:photo AC)

「東京都シルバーパス」で都内の交通機関をお得に利用

そんな「シニア枠」の情報を友だちのアユミ(仮名・74歳)に話すと、「シルバーパスはそんなもんじゃないわよ」と、ブンと胸をそらせた。「70歳から都内の都バス、都営地下鉄はもちろん、小田急や京王、東急、西武などの私鉄系のバスもみんな年間1000円で乗り放題って、夢のようだと思わない?」と。

それを手にした時はうれしくて、最短ルートを使えば30分で行けるところでも、1時間かけて乗り継いで行ったのだとか。ところが2年前に事情が変わる。1000円でパスが申請できるのは、住民税が非課税、または前年の合計所得金額が135万円以下の人。

親の持っていた不動産を相続し、家賃収入を得ることになったアユミは、枠から外れてしまった。「年間2万510円になったのよ。1万円札2枚かと思うと、申し込めなくて」とアユミ。今後どうするかは考え中だという。

このシルバーパス制度も全国で導入されている。例えば、愛知県名古屋市では65歳以上で負担金を払って「敬老パス」を取得すると市バス・地下鉄などが年間730回無料になるし、大阪市では「敬老優待乗車証(ICカード)」に現金をチャージ(入金)しておけば、対象の電車・バスを、1回50円で利用できる(70歳以上)。ただし、各自治体で所得制限が設けられていることが多いので確認が必要だ。

ほかにもさまざまな「シニア割」の情報を次ページの表にまとめたので、ぜひうまく利用してほしい。