「大人の休日倶楽部パス」でお得に旅行しよう

「ジパング倶楽部は普通なら女性は60歳、男性は65歳にならないと入会資格がないけど、夫婦会員の場合、どちらかが満65歳以上なら入れるの。うちの場合は夫が66歳だったから、私は50代で入会できたわけ。よっしゃ~、義母の世話をするふりして旅するぞ!」

とユウコ。新型コロナの流行が収束したら、本格稼働か。

実は、かくいう私も「大人の休日倶楽部ジパングカード」の会員だ。男性65歳、女性60歳から入会できるクレジットカードで、年会費は、個人会員4364円、夫婦会員7458円。会員になると、201キロ以上の利用でJR東日本とJR北海道が何回でも30%引になり、全国のJR線のきっぷも20回まで最大30%引になる。そのほか、ホテルの宿泊料や豪華ツアーの割引もあるという。

けれど、《乗り鉄》(鉄道に乗ることを楽しむ人)の私の真の目的は、年3回会員向けに発売される「大人の休日倶楽部パス」だ。1万5270円でJR東日本全線が4日間乗り放題や、2万6620円でJR東日本+JR北海道が5日間乗り放題などのフリーチケット。東北新幹線や秋田新幹線にも乗車可能というから太っ腹だ。このチケットを握りしめて、さあ、どこに行こうかと東京駅の電光掲示板を見上げる時の高揚感といったら!

コロナ禍になるまでは、私と同世代の女性が3~4人のグループで、東北の名所旧跡やひなびた温泉を連泊しながら周遊しているのをよく見かけた。電車に乗ることが目的の私は基本、日帰りになる。

朝一番の上越新幹線で越後湯沢に向かい、周辺の日帰り温泉に入ったら再び上越新幹線に乗って新潟へ。そこで日本海を見ながら羽越本線で秋田まで行って、秋田新幹線で東京に戻る。明日はどこに行こうか、と考えながら眠りにつくのが楽しくて仕方ない。

われながら大人気ない「大人の休日倶楽部パス」の使い方だと思うけれど、ほっといてちょうだい。

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