シニアに向けて、銭湯や温泉をお得に利用できるサービスを行っている自治体も多い(写真提供:photo AC)
2021年の厚生労働省の発表では、日本人の平均寿命は、女性87.74歳、男性81.64歳と男女ともに過去最長に。年を重ねた後の時間が増える中で、そんなシニアだからこそ対象になる優待サービスがあります。高齢者に特化した遊びのスポットや仕事の依頼も。上手に活用して楽しんでいる人たちを取材しました。

月4回も無料で銭湯に入れるなんて

「敬老入浴券をご希望の方は往復はがきでお申し込み下さい」

65歳になる私のもとに、東京都千代田区役所から通知が届いたのは2月初めのこと。《敬老》という言葉にかなり抵抗はあったものの、「区内の公衆浴場を無料で利用できる券が、月に約4枚、最大年間44枚まで交付されます」と言われたら断る選択肢はないだろう。

早速申し込み、人気の「お玉湯」から入ろうか、いやいや、新宿区と台東区の一部の銭湯も利用できるようだから、そっちから攻めてみようかとわくわくしながら地図を広げている。

《タダ》の前では、《敬老》という言葉で傷ついたことなどどうでもよくなるから不思議だ。シニアに仲間入りしたからこその特典、どんどん利用していこう。

東京都内で銭湯がお得に利用できるサービスは、23区のほか武蔵野市・三鷹市などにあるようだ。その内容はさまざま。たとえば、中央区は区内在住の65歳以上の希望者に「敬老入浴証(カード)」を交付している。提示すれば、1回100円で施設を利用でき、回数制限はない。

さらに全国に目を向けると、石川県金沢市では、市内に住む65歳以上の人は、申請すれば1回150円で公衆浴場が利用できる助成券を年間22枚ゲットできるという。道後温泉のある愛媛県松山市でも、申請すれば年間50回、半額で市内の一部の公衆浴場を利用できるらしい。なんともうらやましい。

もしかしたら読者の皆さんの住む自治体でも行っているかもしれないので、調べてみてはいかがだろうか。