「くまが猫を飼っているっておかしくないですか?」って

―何故くまを主人公にしようと思ったのですか?

コミック作品を描くのは「火曜日のくま子さん」がはじめてだったのですが、これまでも動物を主人公にした絵本をたくさんつくってきました。

猫のシノビと高橋和枝さん(写真:高橋さん提供)

動物を主人公にすると生活感がでないし、余計な情報をはぶけるので、お話をシンプルにできるんです。そういう意味では絵本のやり方をコミックに応用したと言えるのかもしれません。

でも私がこれまで描いてきた絵本よりも、「火曜日のくま子さん」のほうが、現実的な問題を多く扱っているので、その分、問題を「共感してもらいやすく」する工夫はしています。

例えば、私自身はどちらかというとすぐ痩せてしまうタイプなんですが、より読んだひとが共感しやすくするために、くま子さんは太り気味なのを気にしていたりとか、そういう細かなところです。

ちなみに、くま子さんも私と同じく猫を飼っているのですが、これは編集者さんの案です。私は「くまが猫を飼っているっておかしくないですか?」って聞いたんですが、「でもミッキーだってプルートを飼っていますよ!」って(笑)。そんなわけで、ねこも第1話から一緒にいます。