年齢を重ねて変化した家族への思い
この数年はスタンスを大きく変えずに活動してきましたが、21年は挑戦が多い一年になりました。9月にソロプロジェクトを始動させて歌手デビュー。11月には、国産レザーシューズを扱うブランド「NERD MIND(ナード マインド)」のクリエイティブディレクターに就任しました。革靴の製造は実家の事業なので、《就任》というほどのことではないですが。(笑)
家業は創立100年の革靴メーカーで、今も職人さんが手作業で靴を製造しています。僕も愛知県の工場に何度も足を運んでいますが、日本の職人さんの技術は本当に素晴らしい。革のなめし技術で2年連続世界チャンピオンになっている方もいるんですよ。だけど、クールビズやリモートワークの普及で革靴の需要が減り、危機感を募らせています。
実は、今まで家業について僕の口からメディアで語ったことは一度もありませんでした。とにかく実家に迷惑をかけたくなかったんです。でも僕も年を重ね、父や兄と仕事の話をするうちに、「やり方次第で自分も役に立てるのでは」という思いに至って。数年前から準備を進め、昨年、満を持して告知させていただきました。ある意味、腹をくくったとも言えますね。
優れた日本の技術を海外にも発信していきたいという思いを込めて、ブランドは「ナード(オタク)マインド=職人気質」と名付けました。これまで光が当たりにくかった職人さんを多くの人に知ってもらうため、令和時代の新ブランドとして売り出していこう、と決意したのです。
家族は、僕のこの挑戦を喜んでくれました。ありがたいことに、情報を解禁してから多くの方が本社のサイトにアクセスしてくださって。両親からは、「感謝しているよ」という言葉をもらいました。