JK5実現の前に立ち塞がる障壁

今まで管理職になることなんて1ミリも考えていなかった女性たちも、峰岸の説得で前向きにプログラムに取り組むことに。シッター制度や病児保育の支援金も出て、子育てする女性社員も管理職を目指せるよう会社がバックアップするなど、体制は整って計画は順調にいくように、みえた。

しかし、ここからがこの計画の難しいところ。

JK5は、一般で言うとクオータ制(人種や性別、宗教などを基準に、一定の比率で人数を割り当てる制度)だ。クオータ制はいままでも様々な現場で試みられてきた。

しかしジェンダーギャップ121位の日本で、様々な問題が起き、うまくいかなかったことも多い。実際政治において、女性の指導者を3割にという目標が掲げられたが、現在衆院議員の女性比率はなんと1割以下。

もちろん日本社会全体を見れば改善された組織もあるだろうが、まだまだあらゆるリーダーはおじさんばかり!なのである。

(写真提供:photo AC)

ずらりと並んだ男性の写真に《女性が活躍できる社会に》、と書かれたギャグのようなポスター。起業家セミナーの登壇者は十数人全員男性。多様性を謳うイベントの登壇者が数十人全員男性。

なんてことが、ザラにある。

峰岸と麻理鈴がすすめるJK5も、現実社会で起こりうるであろう事象が次々と降りかかる。

まず、次期管理職候補の社員は男性ばかりだった。男性社員は「昇進するのは当然男性」という前提のもと、派閥に属したり上司に従ったりして逆算して昇進を目指してきた。

しかしその前提がいきなり崩れ去る。そうすると不協和音が生まれる。