改革によるバックラッシュのリアルな描き方

花形部署である企画開発部には、シリコンバレーからヘッドハンティングされてきた笹沼エミリ(ソニン)がやってきて、いきなり課長に抜擢される。JK5の目玉人事だった。

しかし、本来課長になる予定だったが、エミリの抜擢で課長補佐になってしまった男性社員はエミリをよく思わない。

エミリは実力がある優秀な社員だが、課長補佐はエミリのことを女というだけで選ばれた《お飾り課長》と揶揄し、エミリを通さずにあらゆる企画をすすめるように。その結果、次第にエミリは本当にお飾りのような立場に追いやられてしまう。

一方、選抜された20人の女性社員を対象にした育成プログラムにも、暗雲が垂れ込める。

会社の一大プロジェクトを成功に導いたエンジニアの川端光(ハリセンボン近藤春菜)は、管理職より、現場でエンジニアとして働きたいという意識が強くなり始める。さらに、急激な改革でギスギスし始めたオウミを去りたいと言い始めるのだ。

そしてワンオペ育児をしながら働く間宮マミコ(桜井ユキ)は、母親としての視点を見込まれ、とあるプロジェクトのリーダーに。しかし、プレゼンの日に子どもが発熱してしまう。麻理鈴が病児保育を手配し、なんとかプレゼンは成功するも、子どもの発熱を知った取引先から、「息子さんに可哀そうなことをしてしまったね」と言われ、自責の念にかられてしまう。

(写真提供:photo AC)

最初はにぎわった育成プログラムの集まりも、参加者が徐々に減ってしまう。

さらに、峰岸と組んでJK5を主導する田村収(向井理)が、男性管理職の不祥事をリークし失脚させたり、年配の管理職の男性社員に早期退職を勧告したりと、少々強引なやり方をしていることが発覚し、麻理鈴の周囲の男性社員が不信感を持つことに。

と、最終話を目前に、オウミは荒れに荒れ、JK5の反動があらわに。
ドラマの中の出来事にしては、妙にリアル。

実社会でクオータ制を導入する際起きそうなことがドラマでも展開されている。
しかし、改革にバックラッシュはつきもの。
女性の意識を変えることは難しいが、周囲を変えるのはさらに難しい。

いくら種がまかれ、芽が出ても、土壌が良くなければ育たない。