疎遠になっていたCくんとの巡り合わせ

数年前、Aの学生時代の友人で、離婚後、少しの間だけ私の相談相手になってくれていたCくんと偶然再会しました。私がボロボロだったとき、彼は私が大好きなスヌーピーのぬいぐるみをプレゼントしてくれて、黙って私の心に寄り添ってくれた《恩人》でした。大した御礼もできないまま疎遠になって30余年。もう2度と会えないと思っていたら、同い年の女性から「Cくんと知り合いなんだって?」と彼の名前を言われてビックリ。彼女とCくんは就職後に留学した大学で一緒だったとのことでした。

36年前、元夫の学生時代の友人がプレゼントしてくれた スヌーピー。今でも大切にしています

思えばCくんは、私とA、どちらの味方につくでもなく、ただただ話を聴き続けてくれていました。そんな恩人のCくんに、会おうと思えばいつでも会える……。この巡りあわせには感謝しかありません。

それから何年も経って、「仕方がない」という言葉をある男性タレントさんから聞いたことがあります。数年間、その男性タレントさんが司会を務める番組にコメンテーターとして出演していた私は、彼が主催する打ち上げの場に度々呼んでいただいていました。プライベートな話もするようになったとき、私が当時、腹に据えかねていた親族の男性の結婚問題について、彼に相談したのです。

この結婚の経緯というのが、私が29歳のときに経験したものと限りなく似ていました。妻帯者だった親族に突然近づいてきた女性の影。親族の実家には無言電話がかかるようになり、妙な荷物が届くことも。調べると、送り主の住所は超ご近所だったそうです。偶然を装って親族の両親にもコンタクトをとってきたという女性……。最後はドラマのような不倫略奪劇だったにもかかわらず、親族は妻との離婚を選択し、その女性と結婚するというのです。

一通り私の話を聴いた司会者の彼は、いつもの優しい口調で静かに言いました。「いくら親戚中が反対していたとしても、その男性がその女性のことを好きだったら仕方がないんじゃないですか」と。

あ…、あのときも言われた言葉だ……。辛かった自分の経験が鮮明に甦り、どんな感情が押し寄せてくるのか少し怖くなったのですが、「そうですよね、仕方がないですよね」と返す私が居ました。