「私、素敵とか、キレイとかより、〈カワイイ〉と言われるのがいちばん好きなの」(撮影:下村一喜)
日本初のテレビ女優、長寿番組の司会者、ベストセラー作家、ユニセフ親善大使――。どんな時代にあっても、自らの好奇心や感性を頼りに活躍の場を切り拓いてきた黒柳徹子さん。近年はSNSにも挑戦し、そのお茶目で純粋な人柄に注目が集まっています。「面白そう」「やってみよう」という気持ちは、年齢を重ねても衰えることはないのだとか。(構成=篠藤ゆり 撮影=下村一喜)

見てくれる人に喜んでもらいたい

今日のお衣装は、ユーチューブチャンネル『徹子の気まぐれTV』でデザイン画を描いたもの。下手な絵だったけど、可愛く仕立ててもらえました。私、素敵とか、キレイとかより、「カワイイ」と言われるのがいちばん好きなの。

ヘアスタイルは、タマネギ頭だといつもと同じだからつまらないじゃない? だから、ちょっと変えてみました。お衣装も髪形も、みなさんに喜んでいただきたいから。昔、ニュースショーに出ていたとき、「親の介護でずっと家にいるけれど、徹子さんの服を見るのが楽しみです」というお葉書をいただいて。それ以来、『徹子の部屋』も、毎日着るものを替えるようにしています。

始まったのが1976年だから、今まで着た衣装だけで1万何千着。何かのときにもう1回着ようと思っているもの以外は、親と一緒に暮らせない子どものための活動をしている団体に寄贈して、売ってもらって。自立支援ホームが3軒建ったといいますから、よかったなと思います。でもまぁ、新しいお洋服をどんどん買っていると、お金は貯まらないわね。(笑)

私は「へぇ~、それ面白そう」と思ったことはなんでもやってみたい性質なので、6年前からインスタグラムも始めました。『徹子の部屋』に出てくださった福山雅治さんから勧められたのがきっかけです。さっそく、つけまつ毛が取れて頰っぺたにくっついちゃった写真をアップしてちょっと文章をつけたら、みなさんがすぐにお返事をくださって。テレビでは出せないような身近なことを発信できるので、楽しいですね。

昨年7月からはユーチューブもやっています。みんながやっているから、私もやってみたくなったんです。ライブ配信中に「アイスクリームないの?」と言ったら、見ている方から「マネジャーさん、食べさせてあげてください!」なんてコメントが書き込まれて。即、反応があるから、面白い。(笑)

最近は、お孫さんにコーディネートしてもらって今風のファッションを着こなして、インスタグラムで発信しているおじいさんやおばあさんもいますよね。そういうのも、素敵だと思います。

もし若い人に「やってみようよ」と言われたら、「恥ずかしい」とか「そんなの私には似合わない」なんて、ためらわないで。突拍子もない恰好をして、みんなが「わ~っ、面白い!」なんて言ってくれたら、楽しいじゃない。

年齢を重ねると、「こんなこと私にできないわ」とか「やったことないから」「自分には無理」とか思いがちでしょう。でも「ちょっとやってみようかしら」くらいの軽い気持ちで何かを始めたり、冒険してみたりするのはいいんじゃないかしら。