丑松のセリフを書き換えてもらった

間宮 :僕は役作りでこだわったところが1つあって。丑松は、最初の台本で、生徒役に対して敬語じゃなかった。でも丑松は差別に苦しんできたからこそ、誰に対しても上下なく、フラットに接することを目指しているというのがコアにある気がした。それで、丑松は(大人と話すのと同じように)生徒にも敬語で話すようにしようと、監督と話し合って台本を書きかえてもらいました。そうすることで丑松の人間性をより表現できるようになったと思う。

父の教えに忠実に生きるべきか、悩み続ける丑松(C)全国⽔平社創⽴100周年記念映画製作委員会)

石井 :そうだったんですね。私にとって先生と呼べる方は、ドラマの先生役を演じられた寺尾聰さんです。『仰げば尊し』というドラマで寺尾さんが初日に生徒役のわたしたちを集めてお話してくださったことがありました。「役者はエンドロールに一人一人名前だけが刻まれるでしょ。これまでの経歴や年収は、何も関係ない。だからみんな『自分が主演』くらいの気持ちで堂々と演じてください」というお話でした。こんな大物俳優さんの前で演技ができるかな、どうしようと萎縮している時に、役者はみんな対等だという話をしてくださり、とても衝撃を受けたのと同時に勇気をいただいたんです。

間宮 :寺尾さん、本当の先生みたいだね。僕の実際の先生の思い出と言えば…同窓会の時に小学校の担任だった先生に「今は俳優やってます」と言ったんだけど、ちょっと疑り深い顔で「本当~?」って言われたの。その後木村拓哉さんの『BG身辺警護人』に出させてもらったら、途端に先生から連絡が来て「お前本当に役者だったんだな!」って(笑)。…先生の話じゃなくて、木村拓哉さんは、やっぱりすごいって話になったね。

石井 :木村さんはすごいです。(笑)