映画の現場って、やっぱりこういうことがあるんだ

間宮 :僕は撮影の最初から、クライマックスの「破戒」のシーンをどう演じよう、というのがずっと頭から離れなかった。あのシーンを演じるために、途中どうやって変化していこうと考えながら演じていたかな。すごくいい撮影になったので、終わった後はとてもホッとした。

石井 :丑松さんと一緒に、生徒の方も泣いていましたね。

間宮 :子どもたちの気迫もすごかった。中でも目で演技ができる子役の女の子がいて。彼女があまりにも凄い演技をするから、元はセリフもなかったんだけど、寄りのカットが挿入されたり登場シーンが増えたりしたんだよね。映画の現場ってやっぱりこういうことがあるんだ、すごいプロがいるもんだと、僕も感心した。彼女に撮影の後「とても助けられた、ありがとう」って声をかけたら「いえいえ、未熟ですみません」って返された!

石井 :すごい。(笑)

真摯に生徒たちと向き合う丑松(C)全国⽔平社創⽴100周年記念映画製作委員会