目的がないと、自分事として頑張れない
目的とは「自分が手に入れたい理想の状態」と言い換えることができます。
「成績が良い自分でありたい」と思っている子にとっては、「良い成績を取ること」自体が目的になります。また、「**中学校という難関校に入学すること」が「手に入れたい理想」であれば、「良い成績を取ること」はそのための手段であり、通過点ということになります。
さらには、「将来、医師になること」が「手に入れたい理想」であれば、医学部合格実績の多い「**中学校という難関校に入学すること」もまた、そのための手段であり、通過点ということになるでしょう。
逆に知的好奇心から「勉強そのものが楽しい」と思っている子は、勉強自体が目的となっています。そうした子にとっては、「良い成績を取ること」は、目的の先にある付随的な結果にすぎません。
この中の「どれが良くて、どれがダメ」ということはないのですが、いずれにせよ「自分が手に入れたい理想の状態」と「勉強すること」が結びついていなければいけません。自分の理想と結びついていないと、自分事としてとらえることができず、初めの一歩を踏み出そうという気持ちがわいてこないからです。
ですから、あなたのお子さんに、まずは目的意識を持たせることから始めましょう。
※本稿は、『小学生の勉強は習慣が9割 自分から机に向かえる子になる科学的に正しいメソッド』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
『小学生の勉強は習慣が9割 自分から机に向かえる子になる科学的に正しいメソッド』(著:菊池洋匡/SBクリエイティブ)
小学生の子どもがいる親(保護者)は、わが子に「勉強好きになってほしい」「成績がどんどんよくなってほしい」と願っています。しかし、実際は「子供が勉強嫌い」というケースが、よくあります。そうなってしまう大きな原因は、「子どもの評価基準が成果主義であり、そして子どもが成果を出せないから」。子どもの評価は「行動主義」で行うのがポイントで、行動を積み重ねることで結果を出せるようになるのです。では、その「行動」を積み重ねるにはどうすればいいのでしょうか? それが「習慣化」です。本書では、一度身につければ一生ものの「習慣化の技術」を、科学的根拠にもとづいて伝授!