この記事の目次
「成年後見制度」とは
【落とし穴・1】即時抗告
【落とし穴・2】後見人はロシアンルーレット 【落とし穴・3】後見人のプロはいない?! 【落とし穴・4】後見人に良識がなくても解任できない 終わりに
(写真提供◎photo AC)

【落とし穴・1】即時抗告

成年後見人の申請を行うと、裁判所が成年後見人をつけるかどうか、誰が最適かを審判します。成年後見人が決定するまでの期間は2~3か月。審判の内容や結果は、申立人、本人、成年後見人等に裁判所から書面で通知されます。

この審判書が成年後見人等に届いてから2週間以内に、不服申立て(即時抗告)がされない場合は、成年後見等開始審判の法的な効力が確定することになります。

しかしながら、この抗告制度には落とし穴があります。「申立人、本人、成年後見人等に書面で知らせます」ということは、言い換えれば、それ以外の親族には知らされないという意味なのです。

法定後見人が決定したら、親族全員に通達することということが法律で決められていないということを利用し、「故意に」親族に知らせない人もいるのです。

また、この2週間以内という期間は、郵便もしくは該当する家庭裁判所に持参する期間であり、メールは受け付けていません。

遠距離介護をしている親族が抗告の締め切り2時間前に知って、急いで提出したけれど、期間を過ぎていると却下された実例もあります。

この即時抗告はそういった問題も多く、改善の余地は大いにあると考えます。しかしながら、法律として制定されているものなので、国民が声をあげない限り改善されないのが現実です。