この記事の目次
「成年後見制度」とは 【落とし穴・1】即時抗告 【落とし穴・2】後見人はロシアンルーレット 【落とし穴・3】後見人のプロはいない?! 【落とし穴・4】後見人に良識がなくても解任できない
終わりに

終わりに

成年後見制度は必要な制度です。しかし制度が発足した当初よりもさらに高齢化がすすみ、認知症患者の数も、遠距離介護も増えてきました。社会状勢も変わり、現状にあった制度の見直しが必要ではないかと痛感しています。

ただ、実態を知る人が少ないことから、見直しの声は高まっているとは言いがたい現実があります。法律の改正は簡単には行なわれませんが、世論は無視することはできません。家裁の後見センターに何度でも問い合わせて、疑問は解消してください。ただ、後見センターは解決の場ではなく、法定後見人が決まっている場合、その後見人に指導をしてくれるわけではありません。

最近では、本人の認知に問題がない場合、自ら弁護士を選んで財産管理を任せる人も増えています。ただ、私的に弁護士に依頼したり、信託銀行に依頼したりすると、費用は法定後見人より高額になる場合があります。

親族が財産管理をするなら費用は抑えることができます。しかし、親族のトラブルの多くは「親族の横領疑惑」です。これを防止するためには、面倒でも出納帳を付け、毎月の報告を親族と共有すること、親族で交代して担当することもいいかもしれません。

面倒なことは子どもに任せて「自分は知らない」という親も珍しくありません。一生懸命介護も財産管理もしているのに、親が認知症になったりしたら頼りにならず、親族から疑念をかけられて裁判を起こされた方からの相談を受けることもあります。

裁判になれば心労も経済的な負担もも大変大きいです。「うちに限って」と思わずに、最悪のシナリオを想定して最初に話し合うことが何より重要だと考えます。

 

※記事初出時、本文の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(2022年7月11日12時)