限りある時間を全力で駆け抜けていく

組長の場合も、もちろん集合日までは公表できません。
私の名前が出た時は、
皆が少々どよめいたようです。

21年間宝塚にいる間に、何人の人を送り出してきたでしょう。
仲間の退団を聞くと、やはり寂しい感情がまず第一に生まれ、 
でも新たな一歩を踏み出す事なんだと冷静に受け止め、 
しっかりと送り出すことが自分に出来る精一杯の感謝の伝え方だと、
なるべく笑顔でいようと務めます。

学年が上がるにつれ、仲間と過ごす時間も増えていくので、
その人との歴史も長くなります。
故に卒業が決まると、寂しさも大きくなります。
やはり学年が近いとそれは余計に。
当たり前のように近くにいた人がいなくなるということは、つらい。
そして、今までどれだけ助けてもらっていたのかということを、身をもって感じざるを得ません。
その度にしっかりしなければと思い、少しずつ私は変化していったのかもしれません。

しかし、送り出す側とは逆に、退団者は晴れ晴れとした表情。
自分で決めて自分で行動を起こし、前に進む人の姿は、どうしてあんなに輝くのでしょう。
限りある時間を全力で駆け抜けていきます。
そんな姿を見ると「感謝を込めて精一杯送り出そう!」と思うのです。

退団してすぐの頃