私の損だから、得だから、っていうことじゃなくて

――そういうものの考え方なんですね。

樹木:そう、考え方です。

たとえば今日、この舞台に水が2本あったんです。「1本を半分ずつにしましょう」って私が言ったら、どなたかが「いえ、こちらをお開けしましょう」って言った。

いやいや、開けずに置いておけば誰かが飲めるけど、開けちゃったらそのあと飲もうっていう人がいなくなるだろう、と。そう思うんですよね。

一事が万事、損得じゃないんです。

私の損だから、私の得だからそうする、っていうことじゃなくて、一般的に見てそれはもったいないでしょうとか、無駄でしょうとか、そういう考え方なんですよ。

※本稿は、『9月1日 母からのバトン』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

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9月1日 母からのバトン』(著:樹木希林、内田也哉子/ポプラ社)

「どうか、生きて」 2018年9月1日、病室で繰り返しつぶやいた樹木さん。夏休み明けのこの日、学校に行きたくないと思い悩む子どもたちが、自ら命を絶ってしまう。樹木さんは生前、不登校の子どもたちと語り合い、その事実を知っていた。樹木さんが遺した言葉と、それを受け内田也哉子さんが4名と対話し、紡ぎ出した言葉をまとめた一冊。