さんざんな検査結果

一方、日本の代表的な失語症の検査に標準失語症検査があります。聴く、話す、読む、書く、計算の5項目について26の下位検査で構成され、それぞれの答えられる割合を調べるというものです。

たとえば、言語聴覚士が読み上げた言葉の絵カードを選んだり、カードに描かれたものの名前を言ったり、単語や短い文章を読んで理解できるかなどを調べていきます。

僕はこの検査を転院する1週間ほど前に、福岡の病院で受けました。その結果は、26項目中19項目で正答率がゼロというさんざんなものでした。

「たとえば『鉛筆を持ってください』という設問はできても、『鉛筆を取ってからはさみと入れ替えてください』と単語や動詞が増えると混乱してしまう」(瀬尾沙記江言語聴覚士)という状態でした。