獲物をじわじわ仕留める「コモドオオトカゲ」
まるで恐竜のような姿ですが性格はおだやか。走るのも遅く、人をおそうことはめったにありませんが、100キロを超える巨体でのしかかられ、強い前脚で引っかかれると、ひとたまりもありません。
少し前までは毒があるとは考えられておらず、ヨダレ(唾液)にふくまれる菌によって死ぬと考えられていました。しかし、近年、コモドオオトカゲの歯の間から毒が出ていることが判明。
何度もかみつき、傷口から毒や菌を流し込むと、獲物は約24時間かけて弱っていきます。その間、コモドオオトカゲは、驚異的なスタミナで逃げる獲物を追いかけ、動けなくなったところをじっくりと食べるのです。
毒と菌に加えて、巨体、怪力、スタミナと、たくさんの武器の合わせ技で獲物を仕留めているのです。
【分類】爬虫類・トカゲ亜目
【生息地】インドネシア
【大きさ】2~3m
※本稿は、『すごい毒の生きもの図鑑 わけあって、毒ありです。』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
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