片づけを始めるにあたっての心がけ

つぎに、実際に片づけ作業を進めるにあたり、意識しておきたいことを2つお伝えします。

ひとつは「なかなか進まない」という事実を予め理解しておくことです。

もののひとつひとつに思い出があり、手に取るたびに「これを使っていた頃はね……」という思い出話が出てくるもの。その際「そんな話はいいから」と言ってしまいそうですが、「そうなのね」と相槌を打ったりして、なるべくコミュニケーションを取るようにしましょう。

そうすることで親御さん自身も片づけることが楽しくなり、きっと次の片づけに繋がるはずです。

もうひとつが「思っているよりも、捨てられるものは意外と少ない」という事実を理解しておくことです。

「たくさん捨てないと片づかないのでは」と感じるかもしれません。でも無理をして捨てることで、親御さん側に辛い気持ちが残ってしまったり、親子の関係が悪くなってしまえば元も子もありません。

実際、実家の売却が急に決まったために、慌てて片づけをせざるをえなかった知り合いがいました。その際には、とにかく捨てる作業に焦点が置かれることになり、親子ともども辛さばかり残ったそうです。

「片づけはなかなか進まない」「捨てるものは意外と少ない」と思うだけで気が楽に(写真:著者)

たとえば親御さんが亡くなったために、子世代が実家を片づけることになった場合、少しずつでも片づけを始めていた家と、全く手つかずの家を比べたら、その大変さは全く違ってきます。

その意味で、実家の片づけは「少しだけでも片づけば」ぐらいに思っておくことが、うまくいくカギとなります。