「新しい地図」のお三方にある変化が

支度を終えて、柔和な笑みをたたえてテーブルに着いた草なぎさんを前にしたら、いわゆる《SMAP騒動》で目にした多くの報道や、そのたびに深く傷ついたファンの皆さんたちの想いなどがいっきに浮かんできてしまい、なかなか言葉が出てきませんでした。

でも、そんな私に対し、草なぎさんは、「え? こんなに喋ってくれる人だったっけ?」と担当編集者と私が顔を見合わせて驚くほどに色々な話をしてくださいました。

実はこれ、その後、インタビュー現場で出会った稲垣さんや香取さんにも感じたことです。

彼らが揃って理由として挙げたのは「SMAP時代は他のメンバーが喋ってくれていたので喋らなかった」ということ。「新しい地図」になってから、ソロ活動が激増し、自分が喋らないと他に喋る人がいないから自然に口数が増えた…ということでした。

そこから他誌も含めて、何かリリースがある毎にインタビューをさせてもらう度に感じるのは、草なぎさんのギアは常にニュートラルに入っていて、どのようなオファーが来ても、「わかった。やるよ」と、それを受け、現場に入り、そこでも、監督さんの言葉を素直に受け止め、共演者の皆さんとの《化学反応》を自身で愉しみながら、120%の力を出し切って自分のものにしてしまうということでした。

たとえば『ミッドナイトスワン』についても、「飯島さんがもってきた話なんだよね」とSMAP時代からのチーフマネジャーであり、現在の所属事務所社長で、エグゼクティブプロデューサーでもある飯島三智さんの名前をサラリと出して、「いつも僕の知らない監督さんや脚本家さんに出合わせてくれる」と穏やかな表情で称えるのです。