語学を勉強するセンスもゼロ

でも、よく考えれば日本語だって、「1匹」のときは「いっぴき」で、「2匹」は「にひき」と読む。なぜ読み方が「ぴき」だったり「ひき」だったりするのかなんて、日本人でもなかなか説明できないですよね。そういうものだと覚えればいいだけで。

つまり、ぼくは英語力がゼロなだけではなく、語学を勉強するセンスもゼロだったんです。

渡米後、ぼくはニューヨークのすべての地区の英会話スクールに通いました。

5時間ぐらいみっちり教えてくれるところから、街の図書館でやっているアンダーグラウンドな教室まで。後者だと先生も来たり来なかったりで、「今日はユウジが先生やれよ」「なんでだよ!」みたいなノリなんです。

『HI, HOW ARE YOU?』(著:綾部祐二/KADOKAWA)

すべてのスクールに共通しているのは、先生がネイティブだというところ。

授業が英語なので、英語を教えてくれても、そもそも何を言っているのかわからないんです。

もちろん準備と予習ができている人にとっては、ネイティブの先生に教わることは意味があります。

ただ、まったく日本語を使わず、ネイティブの先生に教わるというやり方は、ぼくみたいな人間にとっては無謀でした。いい経験にはなりましたけど、英語の上達という意味では効率が悪すぎました。