グラミー賞にて(写真:『HI, HOW ARE YOU?』より)
又吉直樹さんとのお笑いコンビ「ピース」でブレイクを果たし、一躍人気となった芸人でタレントの綾部祐二さん。しかし人気絶頂の2016年に、拠点をアメリカへ移すことを発表。レッドカーペットを歩くことを目標に、17年からニューヨークへ移住しました。22年にはさらに拠点をロサンゼルスに移していますが、渡米から今まで、その具体的な生活や活動について多くを語ることはありませんでした。そして今、渡米から5年間を振り返れば「英語学習についてはサボりまくってしまった」と認識しているそうで――。

《ゼロ》の英語力で渡米して

渡米前のぼくの英語力は、正真正銘ゼロです。

よく、英語が話せないまま外国に来てしまった、という人がいるけど、ぼくほど話せないやつは見たことがないと言われるくらい。

まず中高での英語の学力が最底辺ですから。お世辞にもエリート校とは言えない高校のテストで、英語の点数が3点とかでした。にもかかわらず、学年で15番ぐらいになれてしまうという……。

卒業してからも、まったく英語にふれることはありませんでした。

そんな状態でアメリカに来てしまった。

まず文法がわからないんですね。ぼくからすると、何がわかっていないのかすら、わからない。

「I」「my」「me」「mine」の違いがわからない。

そんなレベルです。

なので、何ヵ月勉強しても、まったく上達しない。

「he」の所有格は「his」なのに、どうして「she」の所有格は「her」なのか。そこは「shis」じゃないの?

そういう箇所に引っかかって、「これを説明してくれないんじゃ、英語なんてできないよ!」と逆ギレしたりしていたんです。