1万点中の4点

あるとき日本人の英語の先生と出会って、はっきりと言われたんです。

「綾部さん、このままだと英語は一生しゃべれるようになりません。アメリカ人とコンタクトはとれていますけど、会話になっていないですから」

恐る恐る、いまのぼくの英語力が何点かと聞いてみました。

「4点です。ただし、100点満点の4点じゃないです。1万点中の4点です」

……ショックでしたね。でも、この時点で、いかに自分が間違った勉強法をしていたかに気づいたんです。

こうも言われました。

「あなたはただアメリカ人と話をするのではなく、エンターテイナーとして、あるいは言葉のプロとして、英語を話したいんですよね? だとしたら、ただ話せるという状態を目指すのではなく、英語という概念としっかり向き合う必要があります」

「ショックでしたね。でも、この時点で、いかに自分が間違った勉強法をしていたかに気づいたんです」(写真提供:Yuji Ayabe)

それから、英語の学習法をがらっと変えました。

英語とはどういう言語なのか。「SVOC」という文型の仕組み。過去・現在・未来という時制――。

そういった本来であれば高校までに学んでおくべき英語の基礎を、ひとつひとつ学習していったんです。