1978年創業、宮崎県の山間のひっそりとした村に「かぐらの里」はある。今でこそ九州最大級の生産量を誇る柚子の生産地となったが、それまでの道のりは苦難の連続だったという。会社従業員の半分は神官や神楽祝子という特殊な環境も含め、土地との密接な強い想いを二代目社長・濵砂修司氏に聞きました。(Photo by Hidetaka Nobu)
――前半では、地域に根差す素敵なをお話ありがとうございました。
柚子事業の中で品種、品質、開発に関するお話をお聞かせいただけますでしょうか。
濵砂 国内に柚子の品種そのものはそんなに多くないんですよね。
鬼柚子、花柚子などもありますが、高級路線と言えば本柚子になります。
本柚子って全部一緒なの?っていうと、そうでもなくて。
とは言え、本柚子を品種改良して新しい名前のものがあるか?っていうとそこもそうでもない。やっぱり同じ柚子でも、その土地その土地に合った遺伝子を残すみたいなんです。
この土地に植えている柚子は、元々この土地に自生していた柚子の木の穂木を取って接木をして始めたんです。
やっぱり地域性があって様々な地域の柚子を搾ると「これ何処何処産ですよね?」と、ほぼわかる。面白いですよね。