この一件を機にわかったことがある。よくよく聞いてみると、陽子さんと真美さんは私が知らない間に頻繁に電話でやりとりをし、私と静子さんの悪口を言っているようだった。

なぜ? いつからこんなことに? モヤモヤする。しかし不快なのは、静子さんの悪口も言っているということだ。中学生の息子の成績に悩んだ静子さんは、信頼する彼女たちに真剣に相談していたというのに……。

この4人グループはかけがえのない存在だと信じていた。30歳で私が病気になった時、みんな親身に心配してくれたじゃない! その時、この友だちを一生大切にしようと強く思ったのに。裏切られたような気持ちだ。

このやるせない気持ちを、きちんと伝えて問題を解決したい。真美さんの言動に不信感を覚えていること、今のままでは4人で会うことが楽しく感じられないということを陽子さんにメールでぶつけてみることにした。

でも返ってきたのは、「そんなことを言われても、重い」という内容。言えば言うほど彼女との関係はもつれていき、比例するように、陽子さんと真美さんの距離は縮まっていく。

ひとり悶々としていた、43歳の夏。これ以上は無理だと感じ、陽子さんに「4人のつきあいは苦痛である。グループを抜ける」と手紙を書き、友情に終止符を打った。