芦川 そうやね。今は、あんなとこよういたなって思うわ。世間知らずやったんやわ。

上沼 そういう私も、お姑さん付きの狭い18坪の建売住宅に住んでた。

芦川 あの頃の姑さんは、絶対的な存在やったからなあ。

上沼 お姉ちゃんは、私がお土産で持っていったおまんじゅうを食べながら愚痴を聞いてくれて。そういえば、お姉ちゃん10個食べてたね。

芦川 妊娠中やったから、お腹が空いてたんよ。

上沼 一通り気持ちを吐き出して、ふと外を見たら真っ暗。部屋の電気を点けたら隅々まで見えて、こんなにもみすぼらしい部屋やったんかってさらにビックリしたわ。

芦川 あはは。

上沼 その2年前、私らコンビで『NHK紅白歌合戦』で紅組の応援団長やってたんよ。年末年始に一番テレビに出た西のタレントは海原千里・万里って週刊誌に載った。そのくらい活躍してたのに。

芦川 それが、2人とも一転。でも、不幸ではなかったよ。

上沼 若さと、愛があったから。

芦川 そうやね。

<後編につづく