世界一安い、私の「コムデギャルソン」

浴衣地で作った袖はいい感じ。襦袢地に型紙を乗せてカット。元の襦袢地は着物と同じ36センチ幅ですので、洋服の袖には幅が足りません。暇なときに少しずつ「ポジャギ」風にパッチワークして窓にかけてあった布を使います。

ちなみに「ポジャギ」は韓国のパッチワークで、縫い代を二重にして作ります。窓に掛けると光を通して二重になった縫い代に厚みが出て。そこが枠になり一重の薄い部分が光を通して浮き上がり、うっとりするほどです。

その「ポジャギ」風をふんわり袖にすると、キリリとしたハイネックに甘さが加わりました。

丈も長かったので短くし、留めにくかったホック、全部変えるのは大変なので、一番上の部分に中国風のボタンを付けました。

「ポジャギ風をふんわり袖にすると、キリリとしたハイネックに甘さが加わりました」(撮影:林ひろし)

紺のパンツに合わせると「ギャルソン」の出来上がりです。いえ、私の場合は「ギャルソン」=男の子というより、「PAPI」= おじいさん、「コムデパピ」、「おじいさんのように」が正しいかもしれません。

若い頃買えなかった「コムデギャルソン」、50年たってようやく自分なりの思いを叶えることができたというところでしょうか。

※本稿は、『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)の一部を再編集したものです。


71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(著:紫苑/大和書房)

71歳、ひとりシニア。子どもたちが結婚してから60代で都内に小さな中古住宅を買った紫苑さん。フリーで仕事をしていたため、年金はわずか月5万円と、お金はないけれども不安はないし、今が一番幸せ。あるものを工夫する豊かで楽しい日々をご紹介。