私もこのバトンを次に渡す時
喜多先生とは何回もご一緒したわけではなかったですが、
舞台に向き合う真っ直ぐな想いや、プロ意識、指導者としての姿勢、
私の宝塚人生に大切なものを残していってくださった先生でした。
恐さと共に、体に叩き込まれた舞台人としての在り方は、忘れる事はありません。
今は亡き喜多先生は、宝塚を心から愛し大切にしていた先生でした。
ベルサイユのばら
風と共に去りぬ
ル・ポアゾン
ノバ・ボサ・ノバ
など、今でも喜多先生が振付けられた場面は再演され生き続けています。
その後、いつの間にか3年毎に訪れるという辞めたいの呪縛から逃れ、
小心者で泣き虫だった私は、組長という立場を仰せつかりました。
頼りない組長は、まわりの人達の助けを借りて必死で学んでいきました。
気がつけば、私の近くの学年の人達がすべていなくなり、
一緒に新人公演で泣いたり笑ったりしてきた学年の人達もいなくなっていました。
私が間違えた事をしても、指摘して指導してくれる人はいません。
宝塚は常に動いていて、トップさんも入れ替わり、新しい形に変化しています。
だからこそ美しいのです。
いろんな考えが頭をよぎり、私もこのバトンを次に渡す時なんだと、
いろんなタイミングがパズルのピースのように見事にハマっていきました。
逃げではなく、初めて本気で退団を意識した瞬間でした。
思い直すことも、迷いもありませんでした。
それから私の中で、静かに宝塚でのカウントダウンが始まりました。
宝塚は翌年華やかに100周年を迎えようとしていました。
●日本テレビ「news every.」の「every.特集」にナレーターとして出演中
●NHK文化センター講座 9月24日(土)町田教室
●Jeunesse 特別ダンスワークショップ 9月11日(日)
(Jeunesse – ジュネス|宝塚受験サポートクラス | 越乃リュウ先生による特別ダンスワークショップ開催(9月11日) (jeunesse-class.com) )
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