(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、今年で107年の歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第15回は「ファンレターに想いを込めて」のお話です

初めて書いたファンレター

初めてファンレターを貰ったのは、音楽学校の時でした。
何だか気恥ずかしかった気持ちを覚えています。

初めてファンレター(らしきもの)を書いたのは、いつだったのか。
そう!
あれは当時好きだったロシアのバレエダンサーの人に想いをしたためたラブレター。
しかも英語で。10代の頃です。
どーやって書いたのかは、かなり謎です。

現役時代は毎日のように貰っていました。
楽屋入りの時。
楽屋出の時。
郵便で頂くことも。

公演の感想や、応援メッセージや、お願いメッセージや、愛の告白まで(笑)

同じ文章はないし、同じ便箋というのもなかなか出会いません。
内容もそれぞれ違うし、ボールペン、鉛筆、筆、パソコンの文字も。
便箋やハガキを手作りしてくれたり、イラストを描いてくれたり。

字や文章からは、何となく人柄が伝わります。
そんな人となりを感じる事ができるのも楽しみの一つです。

私は昔からの癖? なのか、ファンの方と直接お会いできていなくても、文字との対面はしているので、その方のお名前が出たりすると文字が思い浮かぶのです。

また、お手紙をいただいて、お会いしたこともある方なら、顔はしっかりと思い出せなくても、文字だけが出てくることも…。

皆さんは、そんな事ってありますか?

私の中ではよくある事なので、不思議でも何でもないのですが、 

手紙の最後に書いてあるお名前だったり、
封筒に書いてあるお名前だったりが、まず最初に浮かびます。