北条義時の妻・伊賀の方が眠る北條寺はロウバイの花でも有名(写真提供:Photo AC)

 

小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。9月4日放送の第34回「理想の結婚」では、源実朝(柿澤勇人さん)と後鳥羽上皇(尾上松也さん)のいとことの婚姻が決まり、京では上皇が源仲章(生田斗真さん)、慈円(山寺宏一さん)らと鎌倉の行く末について思いを馳せる。そんな中、北条時政(坂東彌十郎さん)から惣検校職(そうけんぎょうしき)を返上するように求められた畠山重忠(中川大志さん)が疑念を抱いて義時に相談。その義時ものえ(菊地凛子さん)を……といった内容が展開しました。

一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第4回は「のえと伊賀氏」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

物語の先回りを回避しつつの解説を

第34回で義時が“のえ”こと伊賀の方と結ばれましたね。さて、この伊賀の方は後に・・・。

いかんいかん。物語の先回りは止めておきましょう。

話がやや逸れますが、ぼくが大河ドラマ『平清盛』の時代考証を務めていて、ドラマを盛り上げようと試行錯誤していた時のこと。ツイッターで「平家が壇ノ浦で滅びて云々」と発言したら、ドラマの視聴者から「ネタバレは慎んで!」との反応をいただいたことがありました。

「『壇ノ浦の戦いで平家一門が滅亡した』ということは、小学校の教科書にも書いてあるはずだし、それでネタバレはひどい・・・」と、やや思いましたが、たしかにドラマの行く末を楽しみにする権利は誰にでもあるはず。それ以来、こういった場でなるべくストーリーの先取りはしないように心がけています(完全に、はさすがにムリですが)。

では今回何を解説するかというと、伊賀さん、という家のこと。

この家を詳しく説明できる研究者って、誰かいるのかなあ。ぼくは寡聞にして存じ上げません。そこで、今日一日、史料をひっくり返しながら考えた成果を。