20歳で絶頂を迎えて“究極の内弁慶“に

そんな中で、10代までモテ続けてスクールカーストの頂点に立ってきたような男性には、女の子を惹きつける、本能的なモテ・テクニック(腕っ節の強さとそのマッチョ性)が身についている場合が多々。

『近づいてはいけない いい人 - 一億総サイコパス社会の歩き方』(著:シークエンスはやとも/発行:ヨシモトブックス  発売:ワニブックス)

このテクニックも、周りの住人全員をよく知っているような、地元などの狭いコミュニティならそのままでも通用するのかもしれません。しかし、20歳前後で東京などの大きな街に出てくることになれば、そうカンタンにいかなくなるはずです。

地元では頂点だった自分よりも、いろんな分野で才能を発揮している人たちがもちろん大勢いるし、たとえば「ただ腕っ節が強いだけのやつ」に、すんなり従う人ばかりではないでしょう。

そうなると、なぜ誰も俺の魅力に気づかないんだ、なぜみんなは自分に従わないんだ、振り向かないんだと怒りを抱き、フラストレーションはどんどん溜まり、その後の人生は下がる一方。

つまりこの人の場合は、20歳で絶頂を迎えてしまったわけです。

このような男は、地元から“モテる”という称号だけ身につけて出てきたため、取り巻きがいなくなると、途端に元気を失います。

でも、ヤンキーイズム好きな女性など、相性の良い相手を捕まえる能力には長けているでしょうから、もし仕事を見つけられなかったとしても、その女性に食べさせてもらい、生きていくことができるのかもしれません。

そして、外では誰からも自分を認めてもらえないため、引きこもって、自分に優しくしてくれる女性にだけ「うるせーんだよ」などとイキる。“究極の内弁慶”の完成です。