(提供:Ⓒ田村セツコ/集英社)
可愛らしい女の子をモチーフに、1960年代には「りぼん」「なかよし」などで少女向けのおしゃれページを多数手がけたイラストレーター・田村セツコさん。文具や小物などの「セツコ・グッズ」で人気を博し、84歳となった今もなお一線を走り続けています。認知症一歩手前(?)でもますます元気な田村さんが考える、人生の楽しみ方とは。紙とえんぴつがあれば幸せ、という心の健康法を伝授します。「質素好き」な田村セツコさん、少女時代は屋根裏部屋で将来の暮らしについて夢を膨らませていたそうで――。

趣味は大の「質素好き」

少女時代は、将来どんな暮らし向きがいいかしらと、想像しました。

お庭に小鳥が来て、自分の部屋は洋風で、ピアノが当然のようにあって……などと放課後、クラスメートと語り合いました。

わたしの趣味は大の「質素好き」で、部屋は当然、屋根裏部屋。

ピアノやオルゴールやフランス人形は、友だちのK子ちゃんちにあればオッケー。

お姫さまより、召し使いの方が絶対、面白そう。それからもう、50〜60年がたったというのに、趣味は変わらず、本とコーヒーと屋根裏部屋の暮らしです。