政宗の臨機応変力が発揮された”秀吉との交渉”

一方、人を見て法を説くためには、相手のことを知るだけではなく、相手に合わせて臨機応変に振る舞い方を変える必要があります。

理屈好きの相手には理屈で、情感豊かな相手には情で、誠実な相手には誠実に、明るい性格の相手にはこちらも明るく、というようにです。

『日本史を変えた偉人たちが教える 3秒で相手を動かす技術』(著:加来耕三/PHP研究所)

政宗は、それができる人物でした。

政宗の臨機応変力がもっとも発揮されたのが、豊臣秀吉との交渉でした。

秀吉との交渉は、一歩間違えば領地没収や政宗本人が死罪になりかねない極限の状況下でおこなわれたものでした。

以下、政宗が秀吉を相手にどのように振る舞い、窮地を抜け出したかについて見ていくことにしましょう。