信用を得るために必要なもの
筆者は先ほど、相手から信用されるためには、「この人間は嘘をつかない。裏切らない」と思ってもらえる必要がある、と述べました。
ただし、どんなに嘘をつかず、実直な人物だったとしても、言っていることが空論や抽象論であったら、信用は得られません。実直であることだけでは、信用を得るにはまだ不十分なのです。
信用を得るためには、実直であることに加えて、主張していることに説得力や納得感があることが求められます。
官兵衛は若いときから、調略や交渉の際には、詭弁(きべん)を用いずに、明確な論拠に基づいて天下の形勢を語り、「だから、こうしたほうが御家(おいえ)のためになる」と、正攻法で相手を説得するスタイルを取ってきました。これができたから、人々から信用されたのです。
※本稿は、『日本史を変えた偉人たちが教える 3秒で相手を動かす技術』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
『日本史を変えた偉人たちが教える 3秒で相手を動かす技術』(著:加来耕三/PHP研究所)
プレゼン、会議、商談など、相手を動かさなければならない場面は数多い。どうすれば、相手を自分が思うように動かせるのか? それを教えてくれるのが、歴史上の偉人たちだ。交渉の場面で、彼らがどのように勝利を得てきたのかを知れば、仕事力が格段に上がる!