広末涼子さんに息子がお世話になった
印象的なシーンはたくさんあるのですが、篤郎夫婦の自宅に、女性が押しかけてくるシーンは面白かったですね。その女性が帰った後に、笙子が一杯お茶を飲んで「おいしい」って言うんですが、そのせりふで「やっぱりこの人が鬼か」という感じがしましたね。
でも現実には、広末さんに息子の眞秀がお世話になりました。今夏のTBS系ドラマ『ユニコーンに乗って』で、民放ドラマに眞秀が初出演し、広末さんの息子役をやらせていただいたんです。「広末さんと私、どっちがいい?」と聞くと、すごい間があったんですよ……。「そこは即答するところでしょう!」と思いました(笑)。撮影中、眞秀は広末さんにずっとうっとりしていました。
眞秀に芝居のアドバイスですか……。母親の私から言われると嫌みたいです(苦笑)。だから、私はひたすら見守る。そして、指導は人に頼むことにしました。本人は撮影自体、ものすごく楽しんでやっていて。今回のドラマは、森で遊ぶようなシーンが多かったので、撮影も遊びの延長という感覚があったのかもしれません。親としても、歌舞伎はもちろんとして、役者としていろいろな経験をすることは良いと思っています。
私自身は、歌舞伎の家に生まれ、本当は歌舞伎をやりたかったのに、女の子に生まれてしまったためにそれがかなわず、葛藤したこともありました。眞秀はまだ10歳なのでのびのびと育っていますね。この歳でドラマに出たり、フランスに行ったり、歌舞伎ができたり、時々うらやましいなと思います。
私が10歳の時なんて、ほとんど家庭内引きこもりみたいなものでしたから。そのころは弟が5歳で母がかかりっきりなわけです。私は帰宅すると自分の部屋にすぐ入って、テレビを観て、食べたいときに食べて、すぐ寝る、という生活でしたから。