空間認知に関連する頭頂連合野の活動が高まる

ほかにも、全体を見て色の配置を考えることで、空間認知に関連する頭頂連合野の活動が高まりますし、細かい色の変化をつけたグラデーションでぬろうとすることで、細部の認知に関わる側頭葉の中ほどのトレーニングに。

認知症の治療の一つに「回想療法」があります。これは、昔の写真や音楽などに触れ、思い出を語り合う心理療法。そうすることで、感情や記憶に関連する大脳辺縁系に働きかけ、脳全体に刺激を与えることができるのです。

完成品はぜひ飾りましょう。「難しいぬり絵を仕上げたんだ」と感じることで、自己肯定感が高まります。年を重ねると褒められることは少なくなるものですが、頑張った成果を見るたびに、自身を誇らしく思う気持ちが育つのです。

脳のさまざまな場所を活性化することができるぬり絵。
皆さんもどうぞ楽しんでみてください。

『ベルサイユのばら ギャラリー&ぬり絵』(池田理代子)((c) 池田理代子プロダクション)
誕生50年を迎えた不朽の名作の中から、カラーイラスト4点とぬり絵用線画4点を収録。好きな画材を使って自由にぬってみましょう

今回の別冊付録は、漫画『ベルサイユのばら』の絵柄。
「ベルばら」に思い出がある方も多いでしょう。
実はその「懐かしい」という気持ちが重要です。
ぬりながら漫画を初めて読んだ時のこを思い出してみるといいですね。

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