「高齢期に仕事に就けなくなる」とよく聞くワケ

サービス職も高齢就業者が多い。

理美容師、クリーニング店のスタッフなどからなる生活衛生関連サービス(23・9%)や飲食物調理(17・0%)などである。保安職は自衛官、警察官、警備員などからなるが、前者二つは高齢就業者が少ないのに対し、警備員は37・1%が高齢就業者である。

そのほかにも、タクシードライバーやトラックドライバーなどの自動車運転(18・5%)、清掃(33・0%)など高齢就業者を積極的に受け入れている職種も多い。

高齢就業者を積極的に受け入れている職種も多い(写真提供:Photo AC)

こうしてみると、長く働き続けることができる業界は結構あることに気づく。

そして結局のところ高齢期に仕事に就けなくなるという問題は、事務職や専門・技術職の仕事が高齢期になくなってしまうという問題とほぼ同義なのである。

※本稿は、『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。


ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』(著:坂本貴志/講談社現代新書)

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