サッチーは「悪妻」ではなかった。むしろラッキーガールだった

結婚後はかかあ天下まっしぐら(笑)。家で威張ってる男に限って仕事ができないという私なりの持論もあったけど、逆らうと面倒なことになるという気持ちが強かった。

サッチーは自分の思い通りにならないと気が済まない女でね。銀座のホステスからの営業電話がバレて携帯電話を5台くらいへし折られた。浮気なんてする気になれませんでしたよ。もっともあんな怖い女房がいたら、誰も寄ってこないよな。(笑)

でもサッチーは「悪妻」ではなかった。むしろラッキーガールだったと思ってます。現役引退後、これからどうやって食っていこうかと思い悩んでいたら、「なんとかなるわよ」と。実際、私への講演の依頼が後を絶たなかった。

喋るのは苦手だからしんどいと愚痴ると、「ありがたいと思いなさいよ」と言って、どんどん講演を受けてしまうんだ。「俺はこの女に殺されるかもしれないな」と思ったけど、おかげで田園調布に家を持つことができました。

 

妻はピッチャー夫はキャッチャー

沙知代さんは96年、衆院選に出馬するも落選。99年には、浅香光代さんとの「ミッチー・サッチーバトル」が勃発。さらに2001年には約5億6000万円の所得を隠したとして、脱税の疑いで逮捕され、翌年、有罪判決を受けるなど、世間を騒がせ続けた。

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脱税のときは驚いた。特捜部の人に「旦那が知らないわけないだろう」と私も疑いをかけられたけど、金の管理は彼女に任せていたんです。

23日間の勾留期間を経て釈放され、さすがにこたえただろうと思っていたのに、平然としてた。一体、どんな神経をしているのかと私は呆れ果てていたんです。ところが不意に「迷惑かけたわね」と謝られて……。途端に彼女が憐れな女に思えて、切ない気持ちになりましたよ。