2020年の国税調査をもとに算出された、50歳時の未婚率(生涯未婚率)は、男性で28.3%、女性で17.8%と年々高くなっています。“あえて結婚しない選択”をする人も増えていると思われる一方、婚活アドバイザーの植草美幸さんは、「結婚したい、結婚したくないと揺れた末に、結婚相談所に訪れる」と言います。しかし相談の際、「好きなタイプ」を重視する反面「歩みたい人生」という視点が希薄な人が多いようで――。
今よりラクに、楽しくなるために結婚する
結婚を「点」だと思っている方は意外と多いです。「点」というのは、結婚式もしくはプロポーズや入籍日のことです。でも、結婚というのは結婚生活だから、「点」ではなくて長く続いていく「線」なんです、ということをお伝えしています。
繰り返しになりますが、恋愛だけするなら生活を共にする必要はないし、お互いの人生に責任を持つわけじゃない。だから極論すると楽しければいい関係性です。
価値観をすり合わせる必要はありませんし、楽しいところだけ見ていてもいい、良いところしか見せ合わなくてもいい。言いたいことがあっても我慢して、結果別れてしまってもいいのです。
でも、結婚というのは人と生きるということですから、ものすごく生き方が変わります。相手の人生も一緒に、約半世紀かけて責任を持っていくのですから、自然と選び方が変わってきます。
基本的には結婚することによって、今よりラクに、楽しくなっていただきたいとは思っていますが、やっぱりすり合わせていかなければならない部分があります。