史上最年少の26歳で月組男役トップ

2人の共通点はまず強いところ。大地は宝塚音楽学校卒業後の1973年に同歌劇団に第59期生として入団した。1982年に当時としては史上最年少の26歳で月組男役トップスターに就いた。

どの男役トップにも強さが求められるものの、大地の強さは語り草である。舞台初日の前日に実父が逝去したが、休まなかった。男役トップとしての責任感からだ。大地は悲しみを押し隠し、舞台に立った。

何をやっても愛されてしまうところもハルコと大地は同じ。1977年、大地が入団4年目で『風と共に去りぬ』に出演した際のこと。若かったこの時の役柄は名もない一機関士だった。

目立たぬ役柄である。同じ演技を毎日続けたっていい。けれど大地は何事にも一生懸命なので、機関士の個性を毎日変えた。

ある日は帽子を脱ぐと、スキンヘッドだった。男らしさを出そうと、ハゲヅラを被ったのだ。大地の独断だった。
これに観客は大笑いしてしまう。レット・バトラーを演じていた榛名由梨(77)まで思わず吹いてしまった。