令和の水戸黄門
ドラマの基本構造は「令和の水戸黄門」だ。ハルコはムダなことが大嫌いでありながら、お節介は大好き。週替わりで困っている人たちを助ける。一方で悪い奴らは叩きのめす。
ただし、黄門さまとは違って、ハルコが親切心や憐憫の情から人助けをしているようには見えない。一貫して恐ろしいまでに偉そうだからである。
第1話では健康面や後継者問題について悩む岐阜県関市の老刀匠・土岐清次郎(麿赤兒)にこう言い放った。
「才能もない、体も心配」(ハルコ)
酷な言葉に老刀匠は身を縮めた。もっとも、これで終わらせないのがハルコ。友人の名医に土岐の心電図を調べさせた上で「用心すれば長生きできる」と太鼓判を押す。さらに刀好きの若き米国人・ロバート(村雨辰剛)を弟子入りさせ、土岐の技術が継承されるようにした。
もちろん悪の成敗も行なった。刀剣をテーマにしたアニメのロケツーリズムを悪用し、自治体から協力金を騙し取っていた内閣府の経済顧問・遊田光秀(金剛地武志)を東京地検特捜部に告発。ハルコは容赦しないのだ。