洗練されていくサウンド

またジャマイカ移民であるクール・ハークは、レゲエで用いられた「サウンドシステム」という、野外で爆音を出すための音響装置をヒップホップに持ち込み、その重低音の効いたサウンドはのちに「ブーン・バップ」と呼ばれるヒップホップを象徴するサウンドになった。

『黒人音楽史――奇想の宇宙』(著:後藤護/中央公論新社)

このターンテーブルの技術をさらに洗練させたのがグランドマスター・フラッシュである。

彼はハークの「メリーゴーラウンド」を「4BF=6CCR=Full Loop」と公式化した。大島純『MPC IMPACT!』によれば、「つまり片方のレコードが4小節進行するあいだに、もう片方を反時計回りに6回転すれば、ブレイクの先頭にたどり着けるというものだ」という(2)。

こうした数式趣味は、後述する秘密結社ファイヴ・パーセンターズにより顕著にみられるものだ。