国司とはなにか

「国司」というと、諸国を管理する役職であり、いわゆる「なんとかのかみ」のことだと思いがち。ドラマに出てくるものだと、たとえば武蔵守、とか相模守、とかですね。

でもこれは厳密には正しくはありません。

朝廷は律令の規定として、いろいろな官職に長官・次官・判官・主典の四等官を置きました(唐の模倣)。

漢字はいろいろ充てますが、「かみ、すけ、じょう、さかん」と読ませます。たとえば、大蔵省や宮内省などの「省」であれば、「卿、輔、丞、録」。

一方、九州を統治する大宰府だと「帥、弐、監、典」。

平安時代の学者で学問の神様・菅原道真が左遷された官職は「大宰権帥」で、「帥」の代理でしたね。もっとも大宰帥は置かれないのが通例で、大宰府のトップは「大宰権帥」である、という面倒な話にもなるのですが。

なお国司には四等官があります。「守、介、掾、目」です。これみんな、国司なんですね。

じゃあ、国司は国ごとに4人いたということ? いや、それがそう簡単じゃあないんですね。