小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。10月16日の放送回では、御家人たちが謀反を起こさぬように義時がまつりごとの仕組みを改めるも、傲慢なやり方に三浦義村、和田義盛らは不満を募らせていました。そんな中で成長した公暁が……といった内容が展開しました。
一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第10回は「上総介」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
上総介と国司は同じもの?
前回の大河ドラマでは御家人・和田義盛が、「まわりが上総介になれというので推挙してくれないか」と鎌倉殿である源実朝に相談する場面がありました。
しかし実朝が政子にその話をすると「仲が良いから、といった事情で推挙するものではない」とあしらわれ、義盛は義盛で、北条義時から直接に拒絶されて憤慨する、といったシーンも描かれました。
一方、八田知家は「北条でなければ国司になれないのかと、御家人から不満が出ている」と発言していて、頭の中で「上総介と国司って同じなの?」「何が違うの?」といった疑問が浮かんだ視聴者の方がいるかもしれません。
今回はこのことについて、少し詳しく見ていきましょう。