イラスト:フジマツミキ
世界でもトップクラスの長寿国である日本。特に100歳以上の人が多い地域の高齢者の腸内細菌を調査したところ、酪酸菌の保有率が高いことがわかりました。今、注目の酪酸菌がもたらすさまざまなメリットについて詳しく解説します(構成=島田ゆかり イラスト=フジマツミキ)

近年注目! 酪酸(らくさん)菌とは

腸の状態が全身の健康に大きく寄与することが広く知られるようになり、昨今「腸活」ブームが巻き起こっているのはご存じでしょう。

大腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つのグループに属する多種多様な細菌が生息しており、これらを腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼んでいます。善玉菌が優位であれば、大腸内は弱酸性に保たれ、排便もスムーズでバランスの良い状態に。

一方、悪玉菌が増えると大腸内にある食べカスが腐敗して、環境が悪化します。ですから、悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすことが腸活の目標とされているのです。

では、みなさんが善玉菌と聞いて思い浮かべるのは何でしょうか。「乳酸菌」? それとも「ビフィズス菌」でしょうか。確かに、乳酸菌は主に小腸で、ビフィズス菌は大腸で働き、どちらも腸に欠かせない善玉菌です。

しかし近年注目されているのは、同じ善玉菌の仲間である「酪酸(らくさん)菌」なのです。